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赤池三男第十七話「- マルサの話 -」(H24.12.25)


 伊丹十三監督の映画「マルサの女」で、国税庁の強制調査の内情が国民に
明らかになった。従来は、単に税務署は怖い!とだけ思われていたが、
尾行や追跡・内偵、家宅捜査をするのですか?
 
 脱税の心得のある人が、まさか自分の跡を付けられて、プライバシーを
すっかり把握されていたとは---。自分の脇の甘さにがっくり。
 
 こんなに苦労までして、税務官庁が課税の公平を図っていたとは。伊丹監督
の映画によって、国税職員が国民の関心を浴びた。
 
 特に、尾行、追跡は刑事事件の刑事だけだと思っていたら、税務署が---。
すっかり税務調査の内情を知られてしまった。この影響は大きい。
 
 税務署の窓口に「マルサの女になりたい」と、就職活動の女子大学生が現れた。
映画では、モデルになった女性職員が存在していたことは事実。
 
 査察官は、困難が伴う。ある時、激しい夜の雨中を、二人の査察官が車中で
内偵(見張り)をしていたら、通りかかりの男がフロントガラスを叩いて
「税務署の人も大変ですなあ!」と同情の声を掛けられて---何で税務署だと
分かったのかなあ---。笑えない話。
 
 内偵中だと言えなくて、不審者と思われ警察官に連行され、一晩留められた査察官。
24時間連日の内偵調査は、しょっちゅう。身体が臭くて家族に嫌われたお父さん職員。
幾日も家庭に帰らない理由が言えなくて、離婚の危機に会った職員---。
 
 税務署調査は、国税通則法の質問調査権に基づく任意調査だが、
査察(マルサ)調査は、国税犯則取締法に起因する。
 
 査察部門である国税局員が、特別に許諾される調査権である。逮捕権は無いが、
裁判所からの許可状を得て、家宅捜査権や物件の押収権があるから、強権力である。
調査は、検察庁に立件される。
 
 大口、悪質な納税者を強制調査する一罰百戒を目的とする。中には半年にも及ぶ
長期の内定調査で実施に及ぶ。職員は、体力が必要である。
 
 全国に約1,300人の国税犯則取締(査察調査)権を持った職員が配置されている。
日本経済の中心地の東京国税局には約600人。
大阪国税局約300人、名古屋国税局約140人---。
 
 毎年、全国で200件の調査目標。永い間、目標は保たれてきた。
 強制調査したから、必ず検察庁に告発されるとは限らない。告発には至らない
少額のもの、見込み(仕込み)違いがあることも。200件の調査で、告発は70%台。
近年の実績では、一件当たりの平均脱税額1億3千万円程度。
 
 脱税隠匿物件が、通常では考えられない所に隠されている。金塊が庭の地中に、
現金や有価証券がトイレの便器に、天井裏に---。
 
 どうして国税職員は,隠し場所を発見できるのだろうか。
 
 査察官は、神様なのだろうか。
 
 いいえ!発見できたのは、脱税者自らが教えているのです。
 
 「眼は口ほどにものを言い」と言います。

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